- モールの仕覆修理
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2022.12.07 Wednesday
古いモールの仕覆の上部が弱ってしまって、つがり位置では穴があき使えなくなった仕覆を預かりました。
とても気に入っているので、なおせたらお使いになりたいというものです。
綿は痩せて、裏も弱くなっていましたが、モールを生かすためにモール上部の平絹部のみを時代の似ているモール生地と付け替えます。薄手の接着芯を貼りました。
さて、裏はどうしましょう?上部を別布に付け替えてもいいのですが、それも美しくありませんので、現在の裏布の裏に薄手の接着芯を貼り、つがり穴が目立つところは、縫い代部分から小さな補強布を取り、両面接着しました。
痩せた綿にも、真綿を足してふっくらとさせました。
流石につがりと同じ色の絹糸はなく、近い色のつがりを撚って仕上げました。
これで、何とか使用できるでしょうね。
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2022.05.29 Sunday
このブログにも渡り裂としてアップしたことがある甲比丹(カピタン)でお客様一品の6寸皿の仕覆を作りました。
以前は同種の裂が、東博のデジタルコンテンツにアップされていましたが、今は見つけられませんでした。
何しろ400年近く経過した裂ですから、作成途中で何が起こるかわかりません。途中途中で補修をしながらの作業です。補修をし過ぎてしまって、裂の風合いや雰囲気、勢いをつぶさないように気を付けます。
表は、甲比丹、裏はカイキです。久しぶりに柱も作りました。
つがり:3/4 8本x3、緒:3/4 48本x4
底と側面、微妙に柄合せをしています。貴重な裂ですから、無駄にならないように裁つと柄合せも微妙です。