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日本の自然布

以前に誰かに貸して、戻ってこなかった本「別冊太陽 日本の自然布」は、絶版本で現在はプレミヤが付き、中々入手できませんでしたが、やっと新しいものが届きました。2004年1月の初版ですから、20年前の本ですね。現在では、こういう本は作れないでしょう。

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吉岡幸雄氏は、2019年に他界され、現在は娘さんが染織家として活躍しています。紫のゆかり 吉岡幸雄の色彩界 (sachio-yoshioka.com)

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江戸期の染織資料も、繊維組織の顕微鏡写真も興味深いものです。

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author:Muu, category:更紗・縞・無地(和物), 22:10
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芭蕉布のドア

最近、昔の裂のお仲間と何となくラインで交流するようになりました。ボケ防止にはいいかもしれません。昨日も会社で仕事中に書き込み通知音が何度も鳴って、周りから白い目!急いで消音モードにしました。

仲間のお一人に自然布に没している方がいらっしゃいます。40年も骨董市に行くたびに、珍しいからとすすめられて時々求めた自然布達も家の建て替え時にかなり捨ててしまいました。好きな人には貴重でも、普通の一般人には、ボロに近いものですし、その辺のコーヒー豆が入っている麻袋と変わらないと思われます。

金継した高台も真っ黒になった古陶の茶碗に一服を点て、癒しの時を得るのと同じかもしれません。

家を建て替える時にお世話になることになる工務店の事務所に初めて行ったとき、事務所のドアガラスに荒麻が仕込まれているのを見つけました。その工務店のものの見方、感じ方、感性が垣間見られた気がしました。

そこで、我が家のリビングドアを真似て作ってもらいました。荒麻は純正の芭蕉布(持ち込み)に変え、木の分量は、芭蕉布のサイズに合わせて設計しました。ガラスとガラスの間に薄い芭蕉布を仕込むのは、荒麻より大変だったと聞いています。

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無地の芭蕉布にしたのは正解だったかも知れません。柄が入ると「和」と「琉球」の主張が強すぎて空間を圧迫してしまいます。今でも、リビングの椅子に座ってドアを見る時、最初に見た荒麻ドアの感動を思い出します。

author:Muu, category:更紗・縞・無地(和物), 11:28
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鳳凰の京更紗

久しぶりに和物の更紗です。古い時代の京更紗です。版の長さは14cmほどと短いものです。墨の輪郭がくっきり京更紗を主張しています。

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染め上がった当時は、もう少しはっきりした色目だったと思いますが、今はちょうどよく枯れています。茶箱の仕覆や風呂敷に使えそうですね。

author:Muu, category:更紗・縞・無地(和物), 22:26
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小倉木綿2種

今日は、骨董市の日です。仮住まいのすぐ横がお目当ての場所なので、行かないわけにはいきません。

入り口のおじさんのところに杵、月でウサギがお餅をつくあの形状の杵がありました。最初に目に留まり、そのまま古裂のところに行きました。久しぶりに小倉木綿に出会いました。

脚絆

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袴の解き

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味のある糸、味のある色、小倉木綿そのものでした。時代もあり仕覆裂にぴったりです。

さて、また杵のところにやって来ました。買いたいけど、どこで何に?友人は、玄関で古裂を掛ける棒にしたらどうかと提案します。買って帰ると、家人に「何に使うの」「どこに置くの」と言われるでしょう。お店のおじさんは、そう言われ続けて30年もここに通っているのでしょ?今更何を言われても・・・連れて帰りなさいと。結局、今玄関先に鎮座しています。

author:Muu, category:更紗・縞・無地(和物), 21:58
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フェイドアウトの更紗

昨日お茶事に出かけたとき、腰掛待合の円座について考えました。用意されていたものは、正式な菅(スゲ)の1尺Φの円座でした。

私の茶室はどうするの?と自問。どうも、菅を準備する気持になりません。何しろ計画のステータスが茶室以下ですから。

古い更紗で円座もどきを作ってみたらどうかしら?以前にどこかで赤地ペーズリーのヨーロッパ更紗で作った円座見立てが用意されていた茶室がありました。ヨーロッパ更紗では何だかお煎茶風になりそうだし、裂地も薄くてすぐ破けそうな気がしますし、腰掛がにぎやかすぎる。古い和更紗ならどうでしょう?

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江戸末の堺更紗、布団表一枚分を思い出しました。十分に時間をかけて、かけた時間の分だけ全体にフェイドアウトしています。尺四方に角を少々フィレットして円座風にするそんな計画です。この裂は、140x175cmの一枚もので出来ています。江戸末頃にこの幅の国産木綿布は織れなかったはず、手紡ぎの白布で輸入されたものに堺で染められたものでしょうか?布の質感は鬼手印度更紗の裂と似ていますが染めはどう見ても堺更紗で、ちょっと不思議な布です。

以前に友人に話したとき、1枚ずつ裂地を変えて作ったらと言われました。それも面白いけど、遊びすぎでは?さて、我が家の円座はどうなるでしょう?まだ先のことですから、ゆっくり考えたいと思います。

author:Muu, category:更紗・縞・無地(和物), 10:43
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武州の唐桟

ネットで面白い小冊子を見つけました。

昭和48年にギャラリー吾八というところが発刊した「これくしょん」53号・・・この号は、武州で唐桟を作り継承している3代目の故斉藤豊吉さんの話が書かれています。表紙に5.5x3.5cm 程の斉藤さんの手による本物の唐桟裂が貼られています。

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渡りの唐桟を忠実に模すために、40番〜60番手の双糸を用い、手間のかかる植物染料で木綿糸を染め、織り上げた唐桟です。

斉藤家に伝承されている唐桟は、明治初年、昭憲皇太后の殖産所で、千葉県印旛郡白井村出身の斉藤茂助が伝習し、以来、館山において、代々その技法を受け継いでいるのだそうです。

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和唐桟にも、このような味わい深いものが有ったのですね。

author:Muu, category:更紗・縞・無地(和物), 21:51
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芭蕉布

先月入手した芭蕉布の裂帳、51種の芭蕉布の小裂が貼りこまれています。

20年ほど前に芭蕉布を使って洋服を作成していた方からで、今は貴重になった裂を大切に使っているそうです。20年前でも、芭蕉布は高価だったと思いますから、一枚一枚が愛おしいものなのでしょうね。そんな裂帳を分けていただきました。

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先染めの縞芭蕉布に沖縄藍で型染めされた裂も数種含まれていました。私が持っているのは、細い縞と無地の数種なので、ワクワクしながら眺めます。糸を作り出す工程から想像すると、人の手のすごさに脱帽しそうになります。

author:Muu, category:更紗・縞・無地(和物), 09:51
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大正更紗?
NETに「大正更紗の半襦袢」というものが出ていました。
一見すると、柄行、染め、糸味どれも大正更紗っぽくありません。「ひょっとしたら、ピンポンかもしれない」と思って求めたものが昨日届きました。予想的中でピンポンでした。
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何度も水をくぐって、輪郭の墨黒はほとんど落ちて薄くなっていますが、大正更紗よりもっと時代の古い京更紗でした。織糸も大正更紗の紡績糸とは違って、ほっこりしていました。大正更紗は仕覆裂には用いにくいですが、これなら仕覆や道具風呂敷に使えそうです。畑の往復の車中で一気に解いてしまいました。
author:Muu, category:更紗・縞・無地(和物), 01:45
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和更紗の風呂敷
仕覆を頼まれている大振りな徳利の箱の風呂敷、中の仕覆にはインド更紗を用いましたが、さて、風呂敷はどんな裂を持ってくるのがいいのでしょう?お客様の希望は、唐木綿でした。唐木綿では地が厚すぎて風呂敷には無理なので、箱も仕覆にする?しかしながら、中外の仕覆が裂の重さを競い合うようになってしまいます。そっと寄り添う風呂敷にしませんか?と了解を得ました。
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布は幕末の和更紗で二幅物の風呂敷です。何度か水をくぐり、少しフェイドアウトした部分も、風呂敷の優しさの表情の一つになりました。
author:Muu, category:更紗・縞・無地(和物), 22:42
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珍しい和更紗
 先日の骨董市で入手した少し珍しい和更紗です。江戸縮緬が裏打ちされた幅65cm程の小風呂敷サイズですが、風呂敷に使われた形跡はありません。作られたまま、ほとんど使用されず時を刻んできたもののようです。
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糸は手紡ぎ、大小の藍の巴(ともえ)文と百合?らしき花文で構成され、楽しさと静けさが共存しています。
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産地は解りませんが、時代はかなり古いと思われます。。
author:Muu, category:更紗・縞・無地(和物), 22:06
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