- アドラスを解く
- ペルシャ錦の小裂
- 紅毛裂_コンテレキ
- しゆくだす嶋
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2022.01.05 Wednesday
ずっと資料がなく気になっていた渡りの縞裂があります。
骨董市で12年前ほどに購入したときは、「シュクタツ縞」と言われました。しかしながら、この裂に関する資料はどこを探しても見つからず、本当に「シュクタツ縞」なのか?わからないままでした。
ひょんなことから東博のデジタルライブラリの東洋染織の中をうろうろしていて表記のタイトルの見本帳を見つけました。
時代は、江戸時代_19c (1801-1867) と記載されていました。
渡り裂の名称は、「音」で日本に渡来し、「音」を耳で聞き取った日本人が「音」に近い「文字」を当てたことに発します。
なので、「シュクタツ縞」=「しゆくだす縞」と考えていいようです。
見本帳の赤+緑+黄色の格子部分は、私の「シュクタツ縞」に似ています。
- 久しぶりのパトラ
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2021.10.13 Wednesday
もう古い時代(18世紀)のパトラには出会えないと思っていましたが、出会いがありました。
ダメージはあるもののフルサイズで、鋸歯文のボーダーから鋸歯文のボーダーまで幅は96cm、長さは5Mを超える特大サイズの円形文パトラです。
パトラは、その昔、インドのグジャラート州からインドネシアの王侯貴族階級向けに輸出されたものです。
特にこれは私が今までに入手した中でも最長で、おそらく特別な注文により作られたものだと考えられます。
カンボージュ種の繭から作られた優しい糸は、ふわふわで、このサイズで重さは260gしかありません。
羽の絹と呼びたい気分です。
300年以上経った茜も藍もとても美しい。出会いに感謝です。
- ペルシャ錦裂
- 久しぶりにモール裂
- モール
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2019.04.04 Thursday
初心に帰るで取り上げた仕覆の裂を紹介します。
表は、19世紀頃の東南アジア(明確な産地は不明)のシマモール(木綿)です。モールの金糸の金部分はかなりすれていますが、その部分は重さが違います。仕覆には、モール以外の部分を使いました。裏は、羽裏に使われていたカイキの柄物です。
金糸のモール部分を何故使わないのでしょう?いくつか理由があります。茶入の仕覆は小さいので、モールの造形が生かしきれません。水指とか、大きな徳利などの仕覆だと生かせるでしょう。また、モール部分は地厚でぼこぼこになり、小さな茶入れに沿ってくれないのです。このモール部分は、ふくさにしようと思っています。
- 多色の甲比丹
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2016.10.31 Monday
久しぶりにお目にかかりました。それも、ちょっとだけ大きめ、私の持っている甲比丹の中では最大級です。
時代は?18世紀でしょうか。袖の丸みが残っていますから、元は着物か長襦袢に仕立てられていたと思われます。当時も高価だった甲比丹の着物なんてどんな人が身につけたんでしょう?
時代を経て、少し薄くなった箇所もありますが全体的によく手入れされきれいな状態です。大切に扱われてきた裂なんですね。
明るめの地の甲比丹は、縞のインパクトがまた違います。どんなお道具に着せてあげましょうか?想像するだけでも楽しみです。
先日のEテレ「美の壺」は、道具風呂敷がテーマでした。京都のお道具やさんの倉から持ち出され、披露されたお道具の中風呂敷が何と甲比丹でした。前田家伝来もののお道具でした。やはり、道具風呂敷にも甲比丹は使われていたのだとしみじみと眺めたものです。いえいえ、これで風呂敷を作って欲しいなんて・・・そんな勇気は今はありません。