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アドラスを解く

随分前に求めた19世紀にウズベキスタンで作られたアドラスの小裂は細かくキルティングされていました。

盃の仕覆裂にしたいと思って、キルティングを全部解きました。とても時間の必要な作業でした。

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解くと、アドラスの特徴がよくわかります。緯糸は手紡ぎの木綿糸、経糸は草木染の絹糸です。ウズベキスタンで好まれるザクロ柄に織られています。

キルティングの縦列がワッシャー加工の裂のような表情を示し、面白さが生まれたようです。

author:Muu, category:渡りの裂(その他), 02:22
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ペルシャ錦の小裂

なかなか出会えなくなったペルシャ・カジャール朝(1796年 - 1925年)時代のペルシャ錦です。

小さな裂ですが、織耳が片側に付いている貴重な資料です。

ペルシャ錦1ペルシャ錦2

耳は、細いコード2本に糸を巻き付けるよな構造になっています。

ペルシャ錦3

 

author:Muu, category:渡りの裂(その他), 09:46
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ペルシャ錦

ペルシャ・カジャール朝(1796年 - 1925年)時代のペルシャ錦(絹サテン地)です。

ペルシャ錦1ペルシャ錦3

ペルシャ錦2

本当に出会えなくなりました。20cm角前後の小裂ですが、耳が付いているので、繊細な織の様子がわかります。

author:Muu, category:渡りの裂(その他), 23:52
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紅毛裂_コンテレキ

東博のデジタルカタログにやや夢中になっています。

 

紅毛裂_コンテレキ 『文政九年_戌紅毛持渡反物切本帳』より

私の甲比丹のコレクション達がとてもよく似ていますので一部の画像をリンクしてみます。

 白地甲比丹
 弁柄地甲比丹

 

ちなみに文政9年は1826年です。

author:Muu, category:渡りの裂(その他), 01:04
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しゆくだす嶋

ずっと資料がなく気になっていた渡りの縞裂があります。

骨董市で12年前ほどに購入したときは、「シュクタツ縞」と言われました。しかしながら、この裂に関する資料はどこを探しても見つからず、本当に「シュクタツ縞」なのか?わからないままでした。

 

ひょんなことから東博のデジタルライブラリの東洋染織の中をうろうろしていて表記のタイトルの見本帳を見つけました。

時代は、江戸時代_19c (1801-1867) と記載されていました。

渡り裂の名称は、「音」で日本に渡来し、「音」を耳で聞き取った日本人が「音」に近い「文字」を当てたことに発します。

なので、「シュクタツ縞」=「しゆくだす縞」と考えていいようです。

見本帳の赤+緑+黄色の格子部分は、私の「シュクタツ縞」に似ています。

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author:Muu, category:渡りの裂(その他), 00:01
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久しぶりのパトラ

もう古い時代(18世紀)のパトラには出会えないと思っていましたが、出会いがありました。

ダメージはあるもののフルサイズで、鋸歯文のボーダーから鋸歯文のボーダーまで幅は96cm、長さは5Mを超える特大サイズの円形文パトラです。

パトラは、その昔、インドのグジャラート州からインドネシアの王侯貴族階級向けに輸出されたものです。

特にこれは私が今までに入手した中でも最長で、おそらく特別な注文により作られたものだと考えられます。

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カンボージュ種の繭から作られた優しい糸は、ふわふわで、このサイズで重さは260gしかありません。

羽の絹と呼びたい気分です。

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300年以上経った茜も藍もとても美しい。出会いに感謝です。

author:Muu, category:渡りの裂(その他), 22:39
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ペルシャ錦裂

通常モールというとインド、インドネシアの主に金モールを指しますが、モールには様々な裂があります。

これは、19世紀初頭のペルシャ・カジャール朝の絹モールの小裂です。

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モール糸は、絹糸に銀糸を巻き付けて織られた面影がまだ残っています。光にあてるとその部分がキラキラと静かな光を放ちます。

少し厚みのあるモールで、衣装の一部に使われていたものです。

author:Muu, category:渡りの裂(その他), 20:06
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久しぶりにモール裂

作り始めた細長い花入の仕覆の表裂にモールを考えていました。

定時で会社を出て、南青山のもりたさんへ直行です。奥様がいらして・・・「あら、久しぶり」「裂の御病気は続いていたのですね」と。

もりたさんに来ると、病状は最悪です(笑)

考えていたモール以外のも、出物を探す私がいました。また、ご紹介したい珍しいものに出会いました。

まずは、GETしたモールです。

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金糸がまだ生きています。

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author:Muu, category:渡りの裂(その他), 22:54
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モール

初心に帰るで取り上げた仕覆の裂を紹介します。

表は、19世紀頃の東南アジア(明確な産地は不明)のシマモール(木綿)です。モールの金糸の金部分はかなりすれていますが、その部分は重さが違います。仕覆には、モール以外の部分を使いました。裏は、羽裏に使われていたカイキの柄物です。

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金糸のモール部分を何故使わないのでしょう?いくつか理由があります。茶入の仕覆は小さいので、モールの造形が生かしきれません。水指とか、大きな徳利などの仕覆だと生かせるでしょう。また、モール部分は地厚でぼこぼこになり、小さな茶入れに沿ってくれないのです。このモール部分は、ふくさにしようと思っています。

author:Muu, category:渡りの裂(その他), 23:11
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多色の甲比丹

久しぶりにお目にかかりました。それも、ちょっとだけ大きめ、私の持っている甲比丹の中では最大級です。

時代は?18世紀でしょうか。袖の丸みが残っていますから、元は着物か長襦袢に仕立てられていたと思われます。当時も高価だった甲比丹の着物なんてどんな人が身につけたんでしょう?

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時代を経て、少し薄くなった箇所もありますが全体的によく手入れされきれいな状態です。大切に扱われてきた裂なんですね。

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明るめの地の甲比丹は、縞のインパクトがまた違います。どんなお道具に着せてあげましょうか?想像するだけでも楽しみです。

先日のEテレ「美の壺」は、道具風呂敷がテーマでした。京都のお道具やさんの倉から持ち出され、披露されたお道具の中風呂敷が何と甲比丹でした。前田家伝来もののお道具でした。やはり、道具風呂敷にも甲比丹は使われていたのだとしみじみと眺めたものです。いえいえ、これで風呂敷を作って欲しいなんて・・・そんな勇気は今はありません。

author:Muu, category:渡りの裂(その他), 23:49
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