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初心に帰る(2)

さて、表の側面ができたら、底と中表に合わせて縫い合わせます。縫い糸は9号の絹手縫い糸。何故絹糸でしょう?縫ってみればわかりますが、化繊糸や木綿糸では糸のしまりが出ませんし、強く糸を引くと和紙の針穴が大きくなってしまいます。側面側の縫い代は細かく切れ目を入れ、細かい返し縫で一周を縫います。和紙側に玉留を作ります。布側に作ると、表に玉留の玉が響きます。

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底が付いたら、お道具に裏状態で着せてみます。ちょっと、ダーツの緩みが気になりますね。ここで、細かく縫ってあるダーツをほどきますか?綿が入れば、膨らむし・・・でも、お道具に少しでも寄り添うには、ほどくしかないでしょうね。今なら戻れますから。道具に着せたままで、胡粉で補正線を引きます。町針を打った後、縫糸を丁寧に解き、補正線の内側を縫いなおします。必ず内側にします。補正するときは、やりすぎに注意する必要がありますから。これは、仕覆に限らず、よくあることですよね。

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縫いなおした縫い代は、木の卵を縦にしてコテで割り、もう一回お道具に聞いてみましょう?「これでいいかしら?」

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大丈夫のようですから、底の縫い代分の和紙と布を一緒に切り取ります。最終的な縫い代は1.5mm程にします。この作業で底のおさまりの全てが決まります。もう、後戻りできませんから、ちょっと勇気の必要な作業です。

author:Muu, category:お仕覆, 23:46
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初心に帰る(1)

My 働き方改革とでも言いましょうか、1月の手術後の出勤からなるべく残業をしないようにしています。

早く帰宅して何を?パンを焼いたり、お仕覆を作ったり。。。やりたいことは、いっぱいあります。

今日は、お仕覆です。今回のテーマは、「初心に帰る」。

プロセスを細かくコマドリして行きたいと思います。

しつけに使うのは、胡粉です。何故面倒な胡粉を使うのか考えてみると、しつけをするときの布への圧力や摩擦が一番少ない点だと思います。何かで書くしつけ作業だと絶対に布を引っ張ったり、押したりしてしまいます。そして、水で溶かした胡粉を面相筆に付けて使います。毛はイタチです。何故イタチでしょう?イタチの毛は弾力とこしにすぐれ、まとまりやすい性質があります。この筆は、何年か前に奈良へ行った時「一心堂」で買ってきたものです。一心堂は大正年間から筆を作っていて、ご店主と自分が使いたい筆のお話をしながら買った記憶が今でも鮮明です。ご店主の道具にたいする思いのようなものを感じました。

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お道具は、古い薩摩焼の茶入です。型紙通りに裏を縫い上げ、問題がなければ表を裁ちます。今回は、そろばん型の茶入れでしたので、型紙の口幅を修正し、裏を完成、表にしつけを入れます。

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まず、中央のダーツを縫って、縫い代を割ります。丸く仕上げるため、コテ台は木の卵です。1辺縫うごとにコテ作業をします。中央の次は脇縫いです。

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今夜は、ここまでです。

author:Muu, category:お仕覆, 23:51
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久しぶりです

納期間近で、お尻に火・・・引越してからもすぐに仕覆の仕事ができるように、道具類や絹糸、裏地など区別した箱に詰めて、管理したつもりでしたが、引越し当日最後のばたばたで予定した場所に予定した箱が置かれていなかったようで、その箱が見つかりません。緒やつがりを作る絹糸が見つからない、次はつがりをよる道具が見つからない、組みひもの錘が見つからない・・・やれやれ、なかなか完成に至りませんでした。

ひとつ目は、時代のある大きくて重い彫唐津の茶碗です。形もかなり不整形です。表は、渡りの唐木綿です。茶碗の重さ、風貌からこの裂以外に合うものがありませんでした。現在開催されている東博の展示に、この茶碗と似たものがあるそうです。来週行こうと思っています。久しぶりに裏と共裂で柱を作りました。大きな柱で、綿を詰めても詰めてもピンとはったきれいな形になりませんでした。

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二つ目は、江戸期?の萩茶碗。これも不整形です。表は、袴の表で唐桟、裏はその袴についていた裏で紫の甲斐絹、袴をそのまま茶碗に着せた感じです。こちらは、箱の四隅に四半円の木の柱がついていましたので、柱を作ってもうまく収まりません。

何とか、完成し仕事の合間のお昼休みに取りに来てもらいました。本当は私の方から納めに行くのが筋ですが、ごめんなさい時間がまったく作れないのです。

どちらも気に入ってくれることを願いながらお渡ししました。

author:Muu, category:お仕覆, 22:06
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しふく納め

今年も後2日、都内の道も電車の中も少しすいて来ました。すいてこないのは、「片付けなければ〜」と焦る私の気持だけのようです。

今日は、最後の仕覆納めで新宿まで出かけました。初めてのお客様への納品は、少々緊張いたします。心を込めた袋を気に入って下さるかどうか?心配ですが、その場での判断よりも使っている内に解ってもらえるのが何よりのことと考えています。

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底は丸く仕上がったのか?使い手が袋を手にするとき、手が感じてくれるもの。緒の色や太さ、しなやかさはこれで良かったのか?紐を解くとき使い手が指に感じる触感。裏はこれで良かったのか?紐を解いたとき最初に目に飛び込むお道具と裏の組合せも使い手が目に感じるもの。

3つのお道具、それぞれに個性があり、仕覆作りを十二分に楽しませてもらいありがとうの感謝で一杯です。

author:Muu, category:お仕覆, 17:39
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仕覆と型紙

もう何日残っていますか?カウントダウンが始まっている中の仕覆作りです。

何とか、年内にお渡ししたいものです。

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3種のお道具は、奥から斑唐津呼び継茶碗、前左は李朝そろばん茶入、前右は桑平棗です。裂はどれも18世紀の渡りもの、印度更紗とインドネシアの絹絣。

茶碗の型紙は2枚、茶入の型紙は3枚、棗の型紙は4枚構成とそれぞれダーツの入り方が違います。この違いは何から来るかと言うと、底と側面の変化の度合いです。変化の度合いが大きいほどダーツを多く入れないと底から側面への移行が道具に沿ってきれいに丸く仕上がりません。今は、つがりを付けて、全体に霧吹きし、自然に乾くのを待っている状態です。

組みあがった緒も水をくぐらせ、乾燥中・・・何とか、ギリギリ間に合いそうですね。

author:Muu, category:お仕覆, 21:55
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緒の付け替え

緒が切れてしまった茶入れの仕覆を預かりました。つがりはまだ十分大丈夫のようです。お稽古で生徒さんが使うので・・・つながっていれば・・・いいのですと。

とわ言え、切れた緒をつなぐことは出来ませんから、似た色で緒を組みなおします。

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手持ちの絹糸で似た色を探すのは意外と大変です。糸で見ているときより、組みあがった緒の色の方が若干薄くなります。不思議ですね。右の画像、真ん中が切れた緒、下が上の絹糸で組んだ緒です。

そして、つがりはそのまま使いますから、緒の太さを切れたものに合わせなければなりません。

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常緒は紐の状態でつがりに通して、打留を結んで2組の4つ組を一度ほどき1組の4つ組に組なおします。最近は、長緒の仕覆が多く、常緒(みじか緒)は久しぶりのことでした。

author:Muu, category:お仕覆, 13:56
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花土

花土・・・今日は休日出勤もなし。仕覆の仕上げに夢中でした。

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モール裂の中は、桃山の黄瀬戸茶入、インド更紗の中は、斑唐津の筒茶碗(金継)です。ご依頼主に仕覆仕上がりのメールを入れると、今ニューヨーク出張中ですのメールが返ってきました。あらまっ・・・明日の骨董市でお渡ししようと思っていたのですが。

どちらも、作成の工程を十分に楽しませてもらいました。次の仕覆は、別の方からのご依頼ですが、茶碗、茶入、棗各1点の3つ、年末年始我が家の建替えのための引越しを控え、どこで、どうやって時間を作るか算段に苦しみます。でも、仕覆は楽しい。

author:Muu, category:お仕覆, 00:58
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つがり付け

週末しか作業ができません。作ってあったつがりや緒が完全に乾いたので、先日の仕覆2枚に綿(青梅綿+真綿)を貼り、つがりを付けました。

モール裂、側面6枚構成(お道具:古黄瀬戸茶入)

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18Cインド更紗、側面8枚構成(お道具:古唐津筒茶碗)

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お道具の底に袋の底がぴったり沿っているでしょうか?底から側面の変化にだぶつきはないでしょうか?口前は適切でしょうか?NGのときはここから作業を戻すことも考えられます。OKの場合は、お道具をラップで完全に包み、全体にたっぷり霧吹きし、底、胴、口のヒダを1本ずつ整え、自然乾燥させます。現在乾燥中です。

author:Muu, category:お仕覆, 16:39
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ちょっぴり仕覆

作成を依頼されている仕覆2点のお道具を12月のお茶会で使いたいと連絡がありました。のんびりしていると、1ヶ月はあっと言う間に過ぎてしまいます。表裏の袋を縫ってあった途中をひっぱり出し、今日は緒とつがりを作ります。

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筒茶碗の袋は18C鬼手のインド更紗、とても有名な裂で内外を問わず渡り更紗の本には必ずと言っていいほど出てくるVOC裂です。先だってのトワルドジュイの更紗展にもこの裂が茶籠?茶箱?の仕覆に使われて出展されていました。その緒の色は、黄枯茶風の焦げ茶でした。まねっこしてみようと焦げ茶の絹糸を当ててみましたが、このお道具には合いませんでしたので、裂の葉に染められている藍の薄くなったのをもらって漂にしました。

 

もう一つは古い黄瀬戸の茶入の袋です。裂の格を考えて緞子?と思いましたが、このお道具の時代に合う緞子、古い緞子は裂の力が不足気味で難しいのです。別件で帛紗を作っていて出してあったモール裂を合わせてみると沈んだ黄瀬戸の陶肌にしっくりくる気がしました。さて緒の色、最初はもう少しだけ濃い目の灰汁色の糸にしていましたが、モールが沈みます。薄色と薄桜の中間くらいの明るめの糸に変えてみました。

緒もつがりも、その太さは筒茶碗>茶入になっています。毛焼きした後、水浴させて今は自然乾燥中です。

author:Muu, category:お仕覆, 23:57
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花土

花金に続いて、今日も花土・・・仕覆の至福な時間を過ごしました。

随分前に預かっていたもの・・・昨夜組んだ緒を付けてやっと完成しました。

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表は、後左から・・・ヨーロッパ更紗(挽家)、丹波木綿(徳利箱)、インド更紗(盃)、甲比丹(盃)、裏は全てカイキです。それぞれに個性があります。

長緒を結んで全体の口径からはみ出さないが原則ですが、小さな盃の場合、お客様の手の大きさを優先します。男性の場合、短い緒は結びにくくなりますから。今回、甲比丹裂にはじめてハサミを入れました。時代の甲比丹は、透かしてみると小さな穴があり、それを補修して薄い接着芯を貼りました。

author:Muu, category:お仕覆, 23:41
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