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仕覆再開

お盆休みは、仕覆再開と考えていて、やっと時間が作れました。直線縫いの風呂敷でリハビリ後の針試し・・・そして曲線というわけです。

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盃の挽家(曲わっぱ)の仕覆です。表は、ヨーロッパ更紗とインド更紗が表裏でキルティングされていたジャケットを解いたものです。キルティングを解くのは、思っていた以上に大変でした。ジャケットの表に使ってあったヨーロッパ更紗を挽家の仕覆に、裏に使ってあったインド更紗を挽家の中の盃の仕覆に仕立て、もともとのジャケットの表裏をそのまま仕覆に復元するという趣向です。

裏は、金茶のカイキです。筒物の開止位置は重要です。高すぎると道具の出し入れがしずらくなり、低すぎると上部で開いてしまって納まりが悪くなります。高さの半分とか、2/3とか決っていればいいのですが、実際に裏を縫って、道具に着せてみてちょうどよい高さが決まります。

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洋服を解いたものですから幅も小さく、更紗の、それも縞柄の柄合わせは意外と大変です。底と側面は一筋だけ合わせました。正面は、何とか柄をあわせたいですよね。アイロンでおさえてもキルティングの後がポコポコ残ります。これも景色と感じてくれればいいのですが。

つがり付けまで終わったので、霧吹きしてダーツを整え、自然乾燥・・・後は、緒を組まなくてはなりませんね。

author:Muu, category:お仕覆, 23:56
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更紗の風呂敷

右手首を骨折して〜3ヶ月ぶりに針を持ちました。

先ずは、シンプルな風呂敷からスタートです。裂地はお客様支給の和更紗とヨーロッパ更紗の道具風呂敷です。

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布地に厚みが有りますので、単仕立になります。一幅の裂で中央をはぐと1辺65cmくらいの風呂敷になりますが、柄合わせをしていると裂が足りませんので、左右どちらかにあわせて少しだけずらし、しっくり来る方で決まりです。

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こちらは、三幅ものの大判の風呂敷になります。ヨーロパ更紗は普通75cm程度の布幅なので、三幅ものにするために、3枚はぎになっています。表の更紗は、状態のよい部分と穴の部分がありました。結構な数の穴を同じ色の布で補修し、全体に薄手の接着芯を貼ってあります。裏は古手の胴裏を解いたものをコーヒー染めしました。家織の胴裏地は薄くても力があり、道具が滑りすぎず塩梅がよいものです。

author:Muu, category:お仕覆, 23:32
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牙蓋
蓋のない茶入の仕覆作成の依頼を受け、なかなかちょうどよい蓋が見つかりませんでした。
仕覆の知り合いに、蓋の作成をお願いしたものが出来上がって届きました。なんと、びっくり象牙の無垢です。すくい蓋の形状にして薄い象牙で無垢蓋を作る工夫をされたようです。
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さすがにぴったりの仕上がりです。型紙のポジまで同梱されていて、気配り満点ですね。さて、どの色合いの金箔を貼るか迷います。
author:Muu, category:お仕覆, 23:55
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墨和紙
昨日から風邪で会社をお休みしています。今日の午後になって、少し何かしてみようと思い仕覆の裂を出してみましたが、細かい作業は無理ですぐに諦めました。籠に貼る和紙の墨塗りなら、頭がぼーっとしていても単純作業で可能かもしれないと考えました。新聞紙の上に広げた和紙にただひたすら墨汁を塗ってゆくだけです。
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今年の年賀状は全てプリンターで印刷してしまったので、墨のにおいをかぐのは1年ぶりのことです。
大きな刷毛で塗ると効率が良いように思われますが、最初の墨がぼてっとしてしまいます。そのため、小刷毛を使います。今の時期は空気が乾燥しているので、塗った墨はすぐに乾いてくれます。墨には防虫・防腐の効果があると言われますので、竹籠の内貼には必須です。
author:Muu, category:お仕覆, 22:02
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五島美術館
「茶道具取合せ展」に行ってきました。ゆっくり静かに裂を見たいと思って日曜日にして、正解です。お目当ては、渋谷玉恵コレクションの中で初公開の更紗です。澄み切った青空の下、シンボルの大欅が迎えてくれました。
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求めて来た絵葉書より2点
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以下、自分用のメモ書きです。シャープペンでメモをしていたら、金属物はダメなのでと係りの人から注意を受け、鉛筆を貸してもらいました。今後注意しなければなりませんね。

・井戸茶碗 銘 九重(朝鮮(李朝)時代・16世紀) 仕覆 裂:有栖川錦、茜地に金錦、緒:濃い目の白茶(仕覆の大きさに比して緒は細目で、結んだ状態で口外径2cm内側にバランス良し)
・亀甲蒔絵棗(室町時代・16世紀) 仕覆 裂:藍地鳥襷緞子、緒:金茶 替仕覆 裂:白地格子間道、緒:紫
・青貝布袋香合(明時代・17世紀) 箱包裂:藍地印度花更紗文縁ボーダー使い、袷仕立て、裏は薄茶? 花文は茜主体、直径は30〜40mm程で繊細な手描風
・瀬戸瓢形茶入 銘 春慶瓢箪 中興名物 茶入仕覆 裂:望月間道(絵葉書では赤味のある地に見えますが実際は薄茶地に白子持藍、白縞が各1筋、横使)他の替仕覆2点は展示されていませんでした、緒:金茶
挽家の仕覆 裂:茜地チャンパ裂(藍、薄茶の縞、縦使)緒:金茶細目

・西欧更紗手鑑 渋谷玉恵コレクション:白地に茜一色の大柄銅版捺染更紗1点、赤地銅版花柄更紗6片
・更紗手鑑(1)渋谷玉恵コレクション:17〜18Cの印度古渡り、本鑑には234点の裂収中、展示されていたのは25点、笹蔓手(金更紗、更紗)、ウンヤン手格天井、解き袋など文様で分類されて貼り付けされていました。
井伊家伝来の彦根更紗(東博所蔵)と共通するものも含まれ、1700年代に発刊された古文献「佐羅紗便覧」「増補華布便覧」「更紗圖譜」に掲載されているものも多く、本でしか見たことがないものがほとんどですから全て上手の更紗で構成されている様に感激しました。
・更紗手鑑(2)渋谷玉恵コレクション :主として印度更紗、鬼手、古渡り、ジャワ渡り鋸歯文など混在で132点中の中、展示は15点有名な薔薇文の茜地、茶地も含まれていました。鋸歯文の部分が大きく見開きに続けて貼られているのは圧巻です。これに似ていました。
・獅子草花文金華布懐中煙草入れ 渋谷玉恵コレクション :前田家伝来で有名なこの文様の更紗、同品と類似していますが、こちらのほうが繊細で金がよく残っているように感じました。
・名物裂手鑑「切鏡」 渋谷玉恵コレクション :小さな小片の間道、モール、緞子、紗錦、金襴など336片の内一部、ごく細密な藍と茜の算崩しには右から「ヲクシマ」のカタカナが振られていました。
・裂手鑑「名物切鑑」渋谷玉恵コレクション :緞子、金襴が主体、見たことのない渡り裂の名称文字が読み取れませんでした)

渋谷氏の古裂に対する深い思いと愛情を感じながら帰宅した今も、頭の中は更紗・更紗で一杯です。
author:Muu, category:お仕覆, 17:40
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牙蓋探し
先日の依頼品茶入の牙蓋にどうかと思って、備前の茶入を入手しました。
事前に、蓋の外径と茶入の口内寸を確認しましたが、、、届いてみると、蓋は茶入にぴったりではなかったよう(大汗)で、少々遊びがあります。
付いていた仕覆は?と言うと、裂地は現代ものの間道、そう悪くはありません。しかし、底は茶入の底より随分小さい、脇はだぶだぶ・・・これも、仕覆?です。
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それはさておき、蓋です。重さから無垢の象牙ではない様子、金箔は以下のようにボロボロです。
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先ず、金箔をはがします。この古さから察するに、金箔を貼るのに天然糊を使っていた時代のものでしょうから、水に漬けて置けばすぐに取れます。
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内寸は33mm でした。36mm が欲しいのですが・・・さて、どうしましょ?

追記:関西の仕覆の知り合いに相談してみました。木質の高台部分を作りなおすより、新しい蓋を作った方が楽なのだそうです。
最初に相談すればよかったようですね。
author:Muu, category:お仕覆, 14:14
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はけ
上野の芸大近くの画材屋さんに置いてあると聞いていた刷毛・・・なかなか出かけられずにいましたら、ネットで似たようなものを発見、早速注文してみました。
何の刷毛?
仕覆を作るときに便利な糊用の刷毛です。ついでに胡粉用の細めの面想筆も・・・今日届きました。
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1.5号〜4号まで、1.5と2号は刷込み用、3と4号は差指刷毛です。本当は、3,4号も刷込み用が欲しかったのですが、ネットにありませんでした。実際には、版画などに使う刷毛のようです。刷毛もいろいろあるものなのですね。
ちなみに、面想筆はイタチの毛、その他は馬の毛です。
author:Muu, category:お仕覆, 23:28
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更紗の仕覆(3)
3つ目の仕覆のお道具は、平らな黄瀬戸の盃です。
夏前にお蕎麦やさんで、この盃でお酒を頂、そのまま預かってきたものです。すぐに、表裏を仕上げたまま、手付かずになってしまっていました。昨日載せた「更紗の仕覆(2)」の曲げわっぱの蓋を取ると・・・この子が現れます。
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色目がはっきりした黄瀬戸に拮抗しないように、用いる色は藍と茜の2色だけに決めました。裏は濃い藍、緒は甕覗きほどの薄い藍です。
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右の画像でもわかるようにこの更紗は、何度も何度も水をくぐり、織糸はガーゼのようになっていますが、それでも力はあり、藍も茜も往時をしのばせるほど健在です。古き人の手による布の底力を見せてくれます。古いお道具に裂を合わせるとき、布自身が持っているメンタルな底力がやはり必要ではないかと思います。
author:Muu, category:お仕覆, 01:10
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更紗の仕覆(2)
次の仕覆は、盃を入れる曲げわっぱの挽家の仕覆です。盃が黄瀬戸だったので、少々遊び心で黄色目のヨーロッパ更紗の裂を選びました。アドラスのタペストリの裏裂だったを解いたもので、アールヌーボー風の花が面白い構図です。
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曲げわっぱの仕覆はダーツもなく、型紙は簡単です。お道具にぴったりの底をどう丸く仕上げるか、口前をどう丸く仕上げるかだけがポイントです。
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上から見ると、道具の外周の丸と口前の丸が同心円にきれいに納まっているでしょうか?緒は更紗の中の一色を取りました。
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裏裂は、紺と茶の玉虫で木肌を傷めないすべりのよいものにしました。茶は緒、更紗の一色と共色です。曲げわっぱの底にぴったりの丸い薄引を共布で作りました。木の色と同化して目立たないように・・・こっそり忍ばせます。
更紗は、平らな状態で裂だけ見ているときと仕覆に仕立てたときでは表情が変るのも面白いものですね。

追記:この裂を求めた店主の方から、こんなメールを頂きました。
「アドラス絣の裏のロシア更紗、もちろん良く覚えております。このシルクロード由来の裏方の更紗裂が仕覆として表舞台で活躍することを想うと胸が熱くなります。古のシルクロード交易の中心地”ブハラ”で入手したもので、この地でのシミが、シルクロードの終着地である日本で景色として愛でられるとは...彼の地の誰も想像できなかったことと思います。」
author:Muu, category:お仕覆, 03:24
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更紗の仕覆(1)
今日は、預かっていた仕覆を3種納めました。今年の最後でしょうね。
残業続きで全く時間が取れず、お客様に会社の近くまで来てもらって納品、また会社に戻って残業でした。
仕覆の表はどれも渡りの更紗裂、一つずつ紹介したいと思います。
お道具は、胴がふくよかで口が小さい古備前の徳利です。裂は18C末の鬼手のインド更紗です。
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平らな底から一気に丸くなる胴なので、ダーツは片側3本、口が極めて小さいので型紙は絞ります。真綿と青梅綿を表に乗せ、縫い代に綿を縫いとめます。
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つがり付けが終わったら、お道具をすっぽりラップで包み、全体に霧吹きします。口前は丸く、ひだを竹ベラとピンセットで整えます。乾いた裂ではヒダがきれいに取れません。こうして1週間ほど、ゆっくり自然乾燥させます。
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ヒダが十分パーマネントプレスされていることを確認して、タコ糸を緒に替え、打ち留を作ります。小さな口の上に、どちらかと言うと地厚な裂の口前をきれいに乗せるのがこの仕覆のポイントでしょうか?

お客様に先月、徹夜して納めた益田間道の出帛紗が「小さな蕾」にお道具と一緒に掲載されると聞きました。気に入ってもらえている様子に満足しながら仕事場に戻りました。
author:Muu, category:お仕覆, 23:58
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