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カイキの羽裏

仕事のことで頭が一杯・・・最近、自宅で裂に触ることが少なくなりました。
頭を冷やすには、解きが一番です。
縞カイキの裏がついている古い羽織をごそごそ取り出して、解きはじめました。グレーがかった紫に白と薄茶の縞が入っています。縞カイキですから、力も十分残っています。
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艶やかで張りのある薄絹をさわりながら癒されています。やはりカイキは仕覆の裏地としては最高です。この色目にはどんなお道具が合うのかしら、どんな表裂が合うのかしらと想像する楽しみも一塩です。
このカイキは力が十分ありましたから解く手が進みましたが、そうではない場合・・・ちょと力が不十分?それでも、使えそう?せっかく出合ったカイキだしと悩みながら解くときは、思いのほか時間がかかります。人間の心理は不思議なものですね。そして、多くの場合、途中であきらめます。最初からあきらめればいいのにと思われるでしょうが、全体の力が均一ではないので、あっちこっち引っ張ったり、解いてみたり・・・すぐには、あきらめられないのです。

author:Muu, category:お茶の裂地, 23:41
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名物更紗類聚
 ずっと気になっていたタイトルの本をオークションで見つけたときは驚きでした。以前に神田の古書店で見つけたものの予算が間に合わずあきらめたものですから、落札できて感激です。
この本は、昭和52年に鈴木一氏が父繁太郎氏から引継いで更紗の収集、研究をした成果として出版したB4版の大形本です。版元ドットコムでは品切・重版未定となっています。

鈴木一氏の言葉によると、「少しでも現物に近く存在感のある印刷をとダイレクト印刷によって世に出すことができました。」「織物のことも、染め物のことも、何の関係もない仕事の合間に文献を探し、資料を求め、時間を重ねてきました。時を経た寸片の裂に魅せられて半世紀に余る人生を過ごしてきました。蒐めた裂は 私有に甘んずるものではないと思っています。」
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更紗も茶の湯のつながりによって残されたと当代の鈴木時代裂研究所の所長鈴木一弘氏の言葉があります。
「ごあいさつ」 
author:Muu, category:お茶の裂地, 00:46
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羽二重とカイキ

カイキの紋付だと言われて随分前に求めた着物と男物の羽織りを解きました。
着物は解いている内に手触りや張りがカイキと少し違うように感じました。羽織りの裏はまさにカイキの感触でした。
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左が着物の表、右が羽織りの裏です。どちらも平絹ですから・・・ほとんど違いが解りませんね。
しかし、耳を見ると解ります。やはり着物はカイキではなく羽二重でした。
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羽二重は5〜6mm前後で柔らかい耳、カイキは1〜2mm内外で張りのある耳です。
これは、国産のカイキについて言えることで、渡りのカイキはまた別です。
骨董市で「カイキだから高いよ」と言われて買って帰って・・・よく見ると羽二重だったという苦い経験が一度ならずあります。カイキは大正時代に国内の生産は終了しましたが、羽二重は平絹の代表格として現在も作られています。
裂だけでは区別が付きにくいものですが、ひとたび仕覆に縫ってみるとその差は明確に解ります。昔の茶人がカイキを好んで仕覆の裏に付けた理由がわかるような気がします。

author:Muu, category:お茶の裂地, 23:49
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裂の名称

 知り合いからの質問です。どれも古い茶入・・・その仕覆の「お裂地は?」
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白地に卍地文と木瓜型の中に鳳凰+段文の裂 ⇒ 宗雪銀襴(そうせつぎんらん)
  五島美術館所蔵の仕覆と裂使いが上下逆です。
  「九十九茄子茶入」や「灰被天目」を所有した「宗及他会記」に見える堺の木屋宗右衛門(宗雪)の初有によるものか、南坊宗啓の一族という納屋宗雪の所有によるものか伝来は明らかでないとありました。
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獅子牡丹萬歴緞子(ししぼたんばんれきどんす)
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この金襴の名称がわかりませんでした。
手元にある大きな重い本や小さな本、8冊ほどペラペラめくりましたが、類似の裂も見つけられませんでした。しかし、ペラペラめくる時間は、至福の時間です。こんな裂、あんな裂・・・知らないものがいっぱいあります。

author:Muu, category:お茶の裂地, 23:53
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御物袋用縮緬
 古い三紋の単衣の色留袖です。
背に三つの紋が入っていますが、紋の大きさから時代が判断できます。昔は今と比べて大きな紋だったんですね。
この頃の縮緬は、しなっとしてお道具を保護する御物袋には最適です。しぼ立ちがしっかりしているけれども、ふわふわと柔らかい。今の縮緬と別物です。
2点同じところで買ったので、同じ持ち主のものだったのかも知れませんね。
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御物袋には無地の部分しか使いませんから・・・困るのは・・・模様の部分です。古い留袖なので、裾模様の占める範囲は今のように大きくありませんが、染め+刺繍で手が込んでいますし、共八掛けでそこにも模様があります。
柄がおくみと前身頃つながっているので、いつも解かずにそのままにしています。
今に何かと思って・・・模様部分がたまってゆくばかりです。
何かいい使い道はないものでしょうか?
 
author:Muu, category:お茶の裂地, 23:09
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花園神社
今朝は、新宿の花園神社の骨董市に行って来ました。久しぶりです。
以前は、と言ってももう20年も前でしょうか、L 型の2本の参道の両側にお店がずらっと並んでとても活気がありました。その頃は毎週ではなく、月1か2だったと思います。海外から来た友人を連れて行って、喜んでもらった事もありました。
しかし、今は全部で6軒程度です。
あの人は亡くなった。この人は、今靖国神社に出ていて来なくなった・・・そんな話が聞こえます。今出ている中で、着物を扱うお店は2軒、ゆっくりまわっても1時間もあれば十分です。

その1軒で・・・「カイキの羽裏を使うんじゃない」といいながら、店主が黒紋付の古そうな羽織りを出して来ました。
見ると、玉虫の紫無地が付いています。とてもいい色目ですが・・・
「その色だと、多分・・・力がないと思うけど、大正中期以前だから」と私。
「そう、じゃあ引っ張ってみて」と店主。
「えっ!いいの」 ⇒ 予想は的中です。
「色を見ただけで、力がわかるの」
「今まで随分、失敗してますから」
「もう一枚、無地じゃないけど見てみる」
「縞カイキでも、力があれば欲しいから見せて」
「やっぱり、ダメみたい」

そう簡単に、布に力のあるカイキは見つかりませんね。
店主は、家に帰ってまた見てみるからと言ってくれました。

古裂ではありませんが、衝動買い。
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古いガラスのインク壷です。今のガラスに比べると不思議に味のあるものです。
蓋がないので、安くするから持っていかない?と言われ・・・一輪挿し(いえ、3輪挿しですね)に使えるかしら?と帰路を共にしました。
author:Muu, category:お茶の裂地, 12:23
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今年もカイキ
 年末に古い羽織りの山を3つネットで求めました。何が入っているかはお楽しみ・・・年明けに届いた羽織は全部で24枚でした。その内、カイキの羽裏が付いたものが6枚ありました。
6/24=25% でいい確率だわと喜んでいましたら、力が残っていて使えるものは、3枚でした。3/24=12.5% それでもあれば、それはそれは御の字です。
毎日なんとなく残業で、帰宅して気楽にできるのは解きものくらいです。3枚解き終わりました。
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無地のカイキは中々ないですね。大正時代、カイキの国内生産の最後は縞カイキでしたから、裂の力を求めると縞カイキだけになってしまいます。
ほとんどの羽織りは、今では考えにくいのですが太い木綿糸で縫われています。薄い平絹のカイキに木綿糸はかわいそう・・・縫い目の後は、右の画像のように針穴が歴然と残っていますから、この部分は使えません。
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カイキのしゃらしゃらした張りと艶を出してくれるのは、画像のようなふわふわの織り糸です。
解いていて、手も気持ちも癒されます。
さあ・・・今年は、何枚解くことになるでしょう?
author:Muu, category:お茶の裂地, 23:32
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新年のご挨拶
あけましておめでとうございます。
今年も、どうかよろしくお願い致します。

年始は、四国で過ごし・・・昨夜東京に戻ってまいりました。
元旦に届いた賀状を一枚一枚読んでいて、何枚かの賀状に同じ文章を発見しました。
「住所と名前の文字が小さくて、(ルーペを使っても)読めなくなりました」
あらっ!ごめんなさい。
もらった賀状の住所を見ながら賀状の宛名書きをしている様子を目に浮かべ・・・「あなたも私も年をとって目が弱くなっているのですね」と独り言。来年の賀状はフォントサイズをアップしますから。

羊を表した名物裂を探してみましたが、あまりありませんでした。
紬地人形手金襴(胡人が梅の枝を肩にして羊にまたがり、枝につるした籠の中には、鶯が入っています。動物は、羊ではなくロバの説もあります)と土田友湖オリジナルの市松宝羊紹巴ですが、名物裂と言うより今様裂の感は否めませんね。
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左:天平狩猟文錦        右:山羊花卉文錦
 
author:Muu, category:お茶の裂地, 09:26
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リバーシブルの帯
いつもどちらかと言うと古い布の話が多いのですが、今日は軽めの現代布の話題です。リバーシブルの全通の袋帯を解き始めました。
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表裏どちらも名物裂?・・・名物裂と言ってしまうと問題がありますね。名物裂の権威・山辺知行先生の言葉を借りると「名物裂は迷物裂」だそうです。正確には2種とも古い裂を龍村が復元した復元裂なので、名物裂の本として有名な「古今名物類聚」や「雅遊漫録」などには出てきません。淡交社の「茶の裂地名鑑」には出ています。
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紺地の裂は、「コプト花盃文」の経錦。紀元前4〜1世紀のプトレマイオス王朝時代のコプト織を題材にしたもので、花を盛った大杯の周囲に月桂樹?の葉があしらわれています。

オレンジの裂は、「唐招提寺裂(れん壁華文錦」の経錦。黄色と茶がかった緑の連珠で構成された輪の中の8弁の文と菱形の唐花文があしらわれています。もとは、唐招提寺の校倉の天井裏で発見され、鑑真の将来品と判明した奈良時代の錦だそうです。

1本の帯で2種楽しむことを考えて作られた帯だと思いますが、この2種の組合せの奇抜さには少々驚きます。しかしながら、裂を集める者にとっては、1本で2種、縫い代もたっぷりあって、嬉しい限りです。仕覆にする裂と言うより、数奇屋袋などで楽しむ裂かも知れません。
author:Muu, category:お茶の裂地, 23:24
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前田家伝来名物裂
 以前から欲しかった本が何とか手の届く金額でオークションに出ていましたので昨日落札、今日それが届きました。
同種の状態のよいものは何倍もの値段がつきますので、状態についてはあまり期待していませんでしたが、想像より本の状態はよいものでした。
昭和53年、まだ郵便番号が3桁だったころに出版されたとても大きくて重い本が2冊です。
京都国立博物館が昭和40、41年に購入した前田家伝来の名物裂類195種について図録として刊行したものです。
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この本に掲載されている裂のカラー図版は原寸、モノクロの詳細図版は表裏とも10/1倍です。柄行の大きな裂は、原寸で本に収めるのはなかなか難しく、ほとんどが縮小されます。このような本はもう今の時代には作れないのかも知れませんね。織物組織の考究に主眼を置いたと「序」に書かれている通り、10倍の図版からは、織の組織がとてもよくわかります。
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カラー図版は、全ての裂についてではありませんが、裏を写したものが掲載されています。
4枚目の図版は、2枚目の裂の裏です。保存された名物裂の表を見る事はあっても、裏はなかなか見られません。それぞれの裂の解説は、切畑先生が書いています。届いたばかりで、まだパラパラとめくっただけですが、興味津々の本でした。このまま見ていたら、明日出勤できなくなりそうなので楽しみを先に送ります。
author:Muu, category:お茶の裂地, 01:09
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